お蕎麦のメールマガジン2001/02/16 -NO.19- (2003/02/05)


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そば好きさん、いらっしゃい!「お蕎麦のメールマガジン」
2001/02/16 -NO.19-
「そばの里へようこそ」http://www.sobako.co.jp/
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◆お品書き
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▼新着情報
▼コラム  蕎麦と遊ぶ 第八回
▼お蕎麦な出来事
▼終わりに
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▼新着情報
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●手打ち蕎麦展示室
川越蕎麦の会・井上様の手打ち蕎麦を掲載させて頂きました。
http://www.sobako.co.jp/sakuhin/inoue.htm

▼コラム  蕎麦と遊ぶ 第八回      どー
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 蕎麦を打ち始めると「打つ」こと以外にもこだわりが生じる。汁、器など
は直接蕎麦と係わるものであり手近なこだわりではないだろうか。この連載
を書き始めたときにもっと早く書くテーマと思っていたのであるが今日まで
延びてしまった。

 汁の作り方は私自身先人の作ったレシピをコピーしアレンジしたものであ
らためて書くようなものではないと感じていたからである。しかし、蕎麦の
作り方を書いた以上汁に触れずにいるというのも不自然であり書くことにし
た。

 もり、ざる、せいろと呼ばれる冷たい蕎麦に合わせる汁を辛汁という。辛
汁は「かえし」という醤油、みりん、砂糖などで作った汁のベースを「出汁」
と合わせたものをいう。「かえし」は蕎麦のためだけだと思うとサンデー蕎
麦打ち人にとっては少しおっくうかもしれない。だが「かえし」の用途は意
外に多く、天つゆ、どんぶり物の味付け、すき焼きなど鍋料理の割りしたと
しても利用できる。あらためて述べる機会があると思うが温かい蕎麦の汁の
ベースとしてももちろん使える。

 「かえし」には「本かえし」、「生かえし」、「半生かえし」などあるが
ここでは「本かえし」の作り方を紹介する。用意する物は2.5〜3リット
ル程度の鍋、計量に使う秤、「かえし」を保存する2リットル程度の広口ガ
ラス瓶(果実酒用など)、材料は醤油1リットル、みりん160グラム、料
理用日本酒50グラム、ザラメ160グラム。

 鍋でみりん160グラムと料理用日本酒50グラムを中から弱火で加熱す
る。鍋底が薄かったり、広い場合は鍋を持ち、火から離して焦げ付かないよ
うに揺すってやる。数分で細かな泡が立ちはじめ、アルコール臭がしなくな
ったらザラメ160グラムを入れ、みりん同様鍋を揺すりながら溶かす。ザ
ラメが溶けたら弱火にして醤油1リットルを静かに注ぎ入れる。しばらくす
ると表面に泡(アク)が出てくるので丁寧にすくい取り、沸騰前に火を止め
る。鍋に入れたまま自然に冷まし、完全に冷めたらガラス瓶に移す。「かえ
し」は時間を置くほどよいとされ、使用するまでに短くとも数日は寝かした
い。3リットルの瓶であれば1回作って約1.3リットル程なので、半分ほ
ど使ったら、新しい「かえし」を仕込んで追加すれば前の「かえし」と混ざ
り、直ぐにでも使える。
 
醤油、みりん、ザラメはメーカーによって品質に差があり、何度か試行して
自分の気に入った「かえし」に仕上げる楽しみがある。ここで使用した日本
酒はみりんの濃度を薄めて扱いやすくするためであるが、みりんの代わりに
日本酒を使ってもよいだろうし、ザラメを使わずみりんだけで仕上げる例も
ある。

 次に出汁をとる。出汁の材料は地方独特の材料が数多くあるが、蕎麦用の
辛汁にはかつお厚削り節が好まれている。かつお節にはカツオの部位やカビ
の付け方などで様々な種類があり、こだわれば採集時期、採集海域などもそ
の対象となる。しかし、ここでは近隣のスーパーマーケットなどで手軽に入
手出来る、商品名:***(メーカーによる任意の商品名)、名称:「かつ
お削りぶし(厚削り)」、現材料名:「かつお・ふし」、と表示されている
ものを使う。

 何度か試されるとわかるがかつお節だけでは少し物足りないと感じたら雑
魚の節を使うことをお勧めする。雑魚の節とはソーダガツオ、サバ、イワシ
などのことをいう。私は煮干し(イワシ)を出汁材の1割程度使っている。
煮干しは頭、はらわた、尾ひれなどを丁寧に取り除いて使う。こくが出て、
力強い汁になる。他にも魅力的な昆布、干し椎茸を使う例があるが、昆布は
日持ちせず、干し椎茸のもどし汁は合わせる分量が難しいがいろいろ試して
ほしい。

 では出汁を作ってみよう。水1リットルを沸騰させ、かつお厚削りを80
グラム、煮干し10グラムを入れ、弱火で煮出す、途中泡(アク)が浮くの
で丁寧にすくいとる。20分経過したら濾し紙か布巾で濾す。この時出汁材
をしぼってはならない。ここで600ccの出汁がとれていればよいだろう。
この行程に続けて「かえし」と合わせることにする。

 辛汁作りの最後の行程となる「かえし」と出汁を合わせる上で大切なのは
合わせる液体同士の温度を近づけてやることである。1リットル程度の鍋に
みりんを大さじ3杯、弱火にし、さらに鍋を浮かして焦げ付かせないように
揺すりながらアルコールを飛ばす。事前に作って置いた「かえし」200c
cを入れ、鍋を浮かしたまま煮きったみりんと合わせる。この時点で「かえ
し」は約60度位になっており、先ほど取った出汁も自然に冷めて同じくら
いの温度になっているので両者を合わせ火を止め、蓋をして自然に冷ます。

 季節によって異なるが常温で半日ほど置くと「かえし」と出汁がうまく馴
染むように感じている。この後冷暗所に保存することはいうまでもない。蕎
麦は10人いれば10通り、辛汁も自分だけのオリジナルを作る楽しみは蕎
麦と同じである。

▼お蕎麦な出来事
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●赤坂「黒沢」010119

●黒沢へ行く
友人と会うことになり、雑誌「Hanako」で紹介されている赤坂・黒澤に行
って見ようということになった。場所は、雑誌によれば永田町2-19-9という
ことだが、これは間違いで、2-7-9が正解。東急キャピトルホテルの裏の前に
ある。さて、黒澤は、黒沢明の映画を作った美術スタッフの内装による店で、
黒沢明関連のグッズが展示されている……とHanakoには紹介されていたが、
経営者が黒澤久雄なのである。店内は、映画に出てきそうな太い梁の造りで、
黒沢明の絵コンテなどが飾られている。黒澤の世界……というほどではない
が、しかしファンには嬉しい店であろう。予約も受け付けているので、予約
なしで出かけた我々は、早い時間にもかかわらず、入り口近くの風通しの良
い場所に案内された。テーブル席がかなりあり、ほかに座敷があるのだから、
せめてテーブル席くらいは開放してもいいのではないか。場所が場所だけに、
背広姿の紳士が多く、簡便な接待などに使われる店なのだろう。残念である。
「たかが蕎麦屋」というわけではないが、蕎麦がふらっと思い立って入る店
でなくなるのは残念である。

●蕎麦の香り充溢
……で、肝心の蕎麦であるが、せいろ蕎麦とカケ蕎麦を頂いた。肴には焼き
味噌。これは柚子が入れられていて、柚子の香りが口中に広がる。そばは文
句なしに合格点である。打ち手が「翁」で修行した職人とかで、それと分か
るそばである。細めで、コシがあり、なによりも蕎麦の香りが横溢している。
そばは最後に、冷たい水でよく締めて出されてくるが、それでも香りは充溢、
蕎麦の香りが迫ってくる。翁と同じそば粉を使用しているのかもしれないが、
腕もさることながら蕎麦粉のよさも隠せない。これまで、よく冷えた蕎麦を
頂いて香りがなかった場合、冷やしすぎて香りが弱い、ここまで冷やさなく
ても良いのではないか……と書いてきたが、良いそば粉であれば、十分に冷
やしても香りはなくならない……ということが、この蕎麦を頂いてわかった。
そば粉と腕の問題なのだ。11月に収穫した新蕎麦が一番うまく感じられるの
は1月だといわれるが、その意味では、良い蕎麦粉の一番の旬のものを味わ
ったということかもしれない。

●そばつゆの妙
ただ、ここの蕎麦で、一つ気になったのが、汁である。長坂の「翁」の辛つ
ゆがどんなものであったのか、明確には思い出せないが、かなり濃厚な汁で
あったような記憶がある。あまり覚えていないということから考えれば、逆
にそれほど特徴のある蕎麦汁ではなかったと想像できるが、黒澤の汁は独特
だ。だしをフルに出した濃厚さの極にシンプルさがあるとすれば、まさに、
ここの汁はシンプルな汁といえよう。鰹と鯖くらいでさーっと出した汁に、
味醂と生醤油を加えた……と表現しても良いような気がするくらいの、シン
プルさである。色は濃い。一緒に行った相棒は「蕎麦はいいけれど、この汁
は気に入らない」と言ったが、確かにセイロを味わうには、もう少し濃厚さ
が、つまり厚みが欲しいという印象であった。特に、田舎蕎麦を食べた相棒
にはそう感じられたはずである。しかし、その印象も、、カケ蕎麦をいただ
いてガラっと変わった。カケ蕎麦は、さらに蕎麦の香りが強く、蕎麦の味を
目一杯楽しめるが、この蕎麦香をそのまま活かして味わう……つまり蕎麦の
香りを壊さず、邪魔せず、食べさせるにはこの汁は絶妙なのである。辛汁を
使用したカケ汁と思われるが、このためのシンプルというか、あえて濃厚さ、
厚みを否定し、ダシが主張しすぎないpoor(貧弱)とは違うthinな(薄い)
辛汁なのだ……ということなのではないかと、ハタと気が付いたのである。
はたして、どうであろうか? 広島に移転する前に、一度、「翁」の汁を確
認しに行かねばなるまい。

●濃厚な汁とシンプルな汁
この汁は初めての経験であった。汁はダシをしっかり出した濃厚さがベター
とドグマチックに思ってきた。ダシにはさまざま有るが、いずれにせよ、ダ
シをしっかり出したものがいいと思ってきた。甘さ/辛さ……というものと
は異なり、どちらにしても、重みのある汁がいい汁である……というのが基
本にあったように思う。しかし、ここの汁は違う。そうか、関西系、特に京
都の汁の基本はこういうことなのであろうか?
蕎麦はコシもあり、香りも文句なし。最上の蕎麦である。せいろ蕎麦で薄め
の汁を味わってみるもよいが、ここでは1杯ぜひとも暖かいカケ蕎麦を楽し
まれたい。セイロのあとの蕎麦湯が、濃厚な薄められた甘さ……で飲む汁と
違って、薄めのさっぱり味で飲む蕎麦湯……これもなかなか悪くないと思う、
アタクシメでありました。発見だった。

●場所「黒澤」 東京都千代田区永田町2-7-9 東急キャピトルホテル裏
TEL03-3580-9638 11:30-14:45、17:00-22:00、土・祝12:00-21:00。日休

提供 梶 様
■Kaji's 蕎麦打ちページ(http://www.imasy.or.jp/~fkaji/soba.html

▼終わりに
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さてさて、毎度のお蕎麦屋情報ですが、どうしても関東近辺に偏ってしまい
ますね。北海道・東北・関西など他の地方の情報も募集しております。我こ
そはと思う方がいらっしゃいましたら、是非投稿して下さいませ。全国の皆
さんが楽しみにしています。プロのお蕎麦屋さんも自分のお店をレポートし
て下さってもかまいませんよ(^-^)地方の蕎麦のイベントレポートや案内なん
かも大歓迎です。宜しくお願いしますm(__)m
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最後までお読みいただきありがとうございました。これからも喜んで頂けるメ
ールマガジンとして頑張って参ります。
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「お蕎麦のメールマガジン」編集責任  そばの里の村長・古川浩
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